バイオリン(ヴァイオリン)販売・専門店・
弦楽器サラサーテ・東京(渋谷)から25分

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映画 「レッド・バイオリン」のご紹介

インテルメッツォの第24回です。

今回は、ここのところずっとお話ししてきている 「楽器を選ぶときの注意点」のシリーズからは、ちょっと 離れて、公開中の話題の映画「レッドバイオリン」について お話ししたいと思います。

【4世紀に渡り、5つの国を旅した名器「レッド・バイオリン」】

この映画は、バイオリンの魅力、バイオリンの魔力を知り、 本当にヴァイオリンが好きでたまらない人が作ったことを強く感じさせてくれます。 そして、見終わった後、なおいっそうバイオリンが好きになってしまいます。
是非、ご覧になることをお薦めいたします。

構想3年。監督のフランソワ・ジラールは 「私たちは、バイオリンに関する資料、音楽にまつわる逸話、 盗難にあった楽器に関する話を洗いざらい調べたんだ」と語る。(パンフレットより)

その言葉通り、その徹底した完璧主義は、製作風景、時代による弓、駒、顎あての変遷など 映像の随所に表現されています。 イタリアの製作上の慣習である『弟子の作ったものにも親方のラベルを入れる』 等もしっかり表現されていて、思わず“にやり”としてしまいました。

18世紀ウィーンでの古典美。そして19世紀、ジプシーの民族的エネルギーと オックスフォードでの超絶技巧そして官能美。 時代、弾き手によって、変幻自在に姿を変える一丁のバイオリン。 そして、クライマックスはモントリオールのオークション会場。 「レッドバイオリン」の魅力にとりつかれた人々の、感慨、欲望が渦巻く。 そして、レッドバイオリンはようやく安息を得るのか、それとも、また新たな旅へと出るのだろうか・・・・。
優れたバイオリンは、過去において、そして未来も、いつの世においても人の所有欲を掻き立てずにはいられないのです。

映画の余韻もまだ覚めやらないまま、都内の某工房を訪れると、何とそこには レッド・バイオリンならぬイエロー・バイオリンが・・・。一目で名器とわかるオーラを放っています。何とそれはGuarneri del Gesu 1741年でした。

このバイオリンは、いったいどんな旅をしてきたのだろうか、そしてこれから どこを旅するのだろうか・・・・・・。そしてこれを所有することのできる人とは・・・。

次回の更新は6月末を予定しております。 ご期待ください。