バイオリン(ヴァイオリン)販売・専門店・弦楽器サラサーテ・東京(渋谷)から25分

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ヴァイオリン(バイオリン)専門店 弦楽器サラサーテ店主のブログ

ヴァイオリン弓の選び方・ブラジル製フェルナンブーコ弓

ヴァイオリン等ブラジル製フェルナンブーコ弓について

ブラジルで加工、製品化されたフェルナンブーコ弓も輸出が全面的に禁止されることになりました

ヴァイオリンなどの弦楽器の弓に使用される材料はフェルナンブーコ(ペルナンブコ)という木材であることは良くご存じかと思います。このフェルナンブーコは、絶滅のおそれがあるということでワシントン条約により、ブラジルからの材料の輸出、国際取引に際しては厳しい制約が設けられていました。
しかしながら、ブラジルで弦楽器の弓として製品化されたものについては、何ら国際取引つまり輸出に関する制限がありませんでした。
それならば現地で弓を生産すれば良いということで、ブラジル国内での弓の製作が盛んになったのです。
その結果良質なフェルナンブーコを使いながらも比較的安価な弓を我々も手に入れられるようになったのです。
弦楽器サラサーテでも、ヴァイオリン弓を選ぶ際の第一選択肢として、ブラジルで生産されたフェルナンブーコ弓を皆様にご案内してまいりました。

ところが、このたびブラジル政府は原材料としてのフェルナンブーコだけでなく、国内で弦楽器の弓に加工、製品化されたフェルナンブーコ製品の輸出も禁ずる政策に出たのです。ですから、今後ブラジル政府の方針、例えば政権が代るとか、ブラジルの世論が変わるというような大きな変革が無い限りは、ブラジルで生産したフェルナンブーコ弓を手に入れることはできなくなりました。

ただし、これはブラジル政府の政策、方針であって、ブラジル以外の国で生産されたフェルナンブーコ弓については上記のルールは当てはまりません。つまり、例えばベルギーに現在ストックされているフェルナンブーコ材を使用し弓を製作し、それをベルギー国外へ輸出することについては何ら制限はかかっておりません。
ですから、ブラジル製のフェルナンブーコ弓が手に入らなくなっても、ブラジル以外の国で生産されたフェルナンブーコ弓については、これまで通り手に入れることができます。
この一連のブラジル政府の発表で、直ちにフェルナンブーコ製の弓が手に入らなくなるということではないことをご認識いただきたいと思います。
もちろん、材料であるフェルナンブーコの原産国であるブラジルから材料も製品も供給されないとなれば、ブラジル以外の各国にストックされているフェルナンブーコ材には限りがありますのでいずれ材料は枯渇してしまうとは思います。

これは当店でブラジル製弓をお求めになられたお客様からいただいたお話ではありますが、某楽器店ではブラジル製弓の価格を、これまで販売していた倍の価格に値上げしたとの情報もあります。確かに希少なものになってしまったわけですが、もし倍の値段も払うのであれば、ブラジル以外の国で作られた弓から良いものが充分選べるはずです。ですからそのような動きには煽られないようご注意ください。

因みに当店のブラジル製弓の在庫は残り1本です。

ブラジル製フェルナンブーコ弓

ブラジル製フェルナンブーコ ヴァイオリン弓(金・黒檀)

製作:Manoel Francisco

715,000円(税込)

 

弦楽器サラサーテではこれからも厳選した弓のご案内、また間違いのない弓の選び方をお伝えしてまいります


HondaのCMではないですが、「ちょうどいい」ヴィオラあります

韓国人製作家 Shin-Hyuk Kwon 2021 405mm イタリア新作ヴィオラのご紹介

イタリア パルマ Scrollavezza&Zanre工房作 Shin-Hyuk Kwon G.B.Gudagnini Model

イタリア新作ヴィオラ

Hondaのクルマ、フリードのTVCMでは「ちょうどいい」いうフレーズが流れます。元々フリードのデビュー当時は、「This is 最高にちょうどいいホンダ」と言っていたらしいのですが、今回紹介いたします韓国人製作家 Shin-Hyuk Kwonのヴィオラがまさにそれなんです。

大きさといい、音色といい、価格(これは私が言うのではなく、皆さまの方で判断されることかもしれませんが…)といい、まさに「This is 最高にちょうどいい」のですね。

ヴィオラはヴァイオリンやチェロと違って、大きさもまちまち。そもそも音域をカバーするために必要となる理想的な大きさからは外れてしまっています。それは顎に挟んで弾かなければならないので、大きさには限界があるのです。それでもできるだけ大きい方、容積が大きい方が良いのではないかとボディサイズを長くしたり、横幅を大きくしてみたり、横板を高くしてみたりと、作る側は色々工夫してみたりします。言ってみれば何でもありなのがヴィオラなのです。

ただ奏者の側から言うと、体格からあまり大きなヴィオラを弾けない人もいます。無理して大きなヴィオラに挑戦したものの、身体を痛めて小さなヴィオラに戻るという専門家も少なくありません。プロは長い時間楽器を弾きますし、特にオーケストラ奏者は座って弾かなければならないので、立って弾くよりも余計に首や腰への負担が大きく、ボディサイズのたった1、2cmの違いでも身体に蓄積されるダメージは思いのほか大きいのです。

大きさは手ごろで、軽くて良い音がする楽器がどこかにないのだろうか?というのはヴィオラ弾きの尽きることのない永遠の悩みなのかもしれません。

今回ご紹介しますヴィオラは405mmと小さくはなく、大きすぎない大きさです。また、形(パターン)も特に幅を広くしたり、横板を高くしたりはしていません。敢えて言えば、モデルがグァダニーニ、G.B.Gudagnini ということだからでしょう、楽器の真ん中ウェスト部分、ミドルバウツがやや広めになってはいます。
そういうわけでこの楽器は外見上からは取り立てて味のある音、豊かな低音が鳴るイメージはありませんでした。ヴィオラは特徴のある形、時には不格好なくらいのものの方が、味のある音だったりします。(余談ですが、実はストラディヴァリStradivari のヴィオラはヴィオラ弾きにとってあまり魅力的には映らないと聞いたことがあります。それはStradのヴィオラは彼のヴァイオリン同様均整がとれていて、癖が無いからなのではないでしょうか。もちろん、Stradのヴィオラをあなたに差し上げますとか貸してあげますと言われたら、誰でもそれを断らないと思いますが・・・)

ところが、このShin-Hyuk Kwon作のヴィオラを鳴らしてみるとびっくり、このサイズ、そしてどちらかと言うとヴァイオリンを大きくしただけのような普通の形(パターン)にもかかわらず、この楽器は実に味のある、そして豊かな響き、柔らかな低音を奏でてくれるのです。その秘密を探るべく考えたのですが、この楽器はイタリア新作楽器としては、板が薄めで軽いことに気づきます。しかし、板が薄い、そして軽い材料を使用した楽器の欠点、嫌みが全く出ていないのです。

このブログを続けて読んでいただいている方はもうお気づきになられたことでしょう。このヴィオラの製作者、韓国人のShin-Hyuk Kwonは、このページの見出しを見ていただくと「Scrollavezza&Zanre工房作」と記載しています。そうです、彼は前回のブログでご紹介していますヴァイオリンの製作者Andrea Zanre の下で製作を学んでいる人物なのです。秘密を解く鍵はそこにありました。前回のブログで申し上げた「軽いが強い材料」というキーワードがまたしても浮かび上がってくるのです。

柔らかな深みのあるC線(低弦)しかし、スカスカでない密度のある芯のある音。強く弾いた時の音の伸び、抜けの良さなど、普通なら相反する要素を満たす秘密は、その材料の選択にあるのでは?という前回Zanreのヴァイオリンのときの推測、それがそのままこの韓国人製作家Shin-Hyuk Kwonの作ったヴィオラにもあてはまるのではないかと私は考えるのです。
同じ工房で、同じ人間に製作を指導されていれば、当然同じ傾向の材料を選択してもおかしくありません。

ただ、今回私は Shin-Hyuk Kwonの作った楽器を初めて見ました。1台見ただけで彼の才能、楽器作りの傾向を判断するには早すぎます。またScrollavezza&Zanreの工房、指導から離れていったときにどのような楽器を作れるのかはまだ未知数です。今後を見守っていきたいと思います。
しかしこの楽器を作った時点では全て上手くいったことは間違いありません。だって、目の前のこの楽器の存在自体(弾いてみれば一目いや一聴?瞭然)が証明していますから。

最後に私の本音を申しますとこのヴィオラ「ちょうどいい」どころではなく「かなりいい」です。

 

Scrollavezza&Zanre工房作新作ヴィオラ

Sold


クレモナ製ヴァイオリンではありませんが、間違いなく名器の一つです

イタリア、パルマ産の新作ヴァイオリンAndrea Zanre 2018

数ある新作ヴァイオリンの中で最良の音、最高のパフォーマンスを示すことは間違いありません

イタリア新作ヴァイオリン

 

税込販売価格:3,300,000円

イタリア、パルマと聞いて、多くの人の頭に思い浮かぶのは有名なチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノであったり、生ハム、プロシュット・ディ・パルマなのではないでしょうか。
思わずよだれが出そうですが、しかしヴァイオリン愛好家として忘れてはならないのは、Gaetano Sgarabotto (ガエタノ・ズガラボット)が創設したパルマ弦楽器製作学校の存在です。そして、その学校はRenato Scrollavezza(レナート・スクロラヴェッツァ2019年没)に引き継がれ、ボローニャ、ミラノ、パルマの弦楽器製作の伝統を守ってきました。

このヴァイオリンの製作者Andrea Zanre(アンドレア・ザンレ)はパルマ弦楽器製作学校でスクロラヴェッツァの教えを受け、現在はスクロラヴェッツァの娘であるElisa (エリーザ)とともに、Scrollavezza&Zanreとして、Renato Scrollavezza(レナート・スクロラヴェッツァ)の製作工房を引き継いでいます。また、ElisaとZanreはレナート・スクロラヴェッツァ引退後、レナート・スクロラヴェッツァ製作学校(パルマ弦楽器製作学校)で教鞭もとっています。

私見ですが、レナート・スクロラヴェッツァの影響が強いのは当たり前かもしれませんが、血のつながった娘のエリーザの楽器の方のように思います。まるでモダンイタリーを思わせるようながっちりした造形であり、またそのような逞しい音のように思います。一方のザンレの楽器の方はもっと軽く、繊細な造りです。

軽いと言いますと、スカスカで密度の低い材料を使った柔らかいけれどもどこか芯の無い音を連想しますが、このザンレのヴァイオリンはその想像とは全く違った音、良い意味で全く裏切られた音がします。
軽く作るつまり板を薄く削るか、軽い柔らかな材料、密度の低い材料を使うと、低音は豊かになり、弱音は出しやすくなりますが、反面、レスポンス(発音)が鈍く感じたり、強く弾いた時に音が前に出てくれなかったり、音に芯が無くなる傾向にあります。
ザンレのヴァイオリンがそうならないのは、軽いけれども密度の高い、強い材料を相当吟味したうえで製作に使用しているのではないかと考えます。以前見た彼の作ったチェロも恐ろしく軽かったので、そういう材料選びをしているのだと思います。
ですから、レスポンスの速さと音の深み、輝かしさと落ち着きと、普通なら相反するものを同居させることに成功したのです。

また、ザンレはAmati(アマティ)、Stradivari(ストラディヴァリ)、Guadagnini(グァダニーニ)などイタリアオールド楽器の研究者でもあります。そしてその研究はX線撮影なども含む、楽器の内部構造にまで及んでいます。Sgarabotto 、Fiorini、 Bisiach等のモダンイタリアの巨匠からの影響も受けつつ、彼の興味の多くは、もっと古いオールド名器に向けられているのではないかと、彼の著作、出版物などを見ると強くそう思います。

まずこのヴァイオリンの軽さを感じ、そしてその音の深み、輝かしさを是非試奏にてお確かめください。


1/15,16は本物のクレモナ新作弦楽器が集う2日間

1/15、16は本物のイタリア・クレモナ作品と触れあう特別な 2日間

昨年に引き続き、Il Violino Magcoさんとの共催で霞町音楽堂で開催いたします

2023年 1月15日(日)~1月16日(月) の 2日間 11:30~17:00

本場イタリア、Cremona から届いた本物のヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ 20数作品が今年も東京、霞町音楽堂に集結します。
展示即売会ですので、手に取って自由にお試しいただけますし、もちろん気に入られた楽器はお求めいただけます。

クレモナ新作楽器展示会

なお、1/15 17時からはイタリアクレモナ在住日本人製作家 高橋修一氏の「イタリア・クレモナ文化としての弦楽器とその歴史」についてのトークショーもございます。そちらも併せてお楽しみください。

 

クレモナ弦楽器製作者協会展示会会場

こちらは昨年開催の展示会の様子です。まるでヨーロッパのお城のような素敵な雰囲気の中で、楽しく楽器をお試しになられませんか

 

ということで、1/15、16は横浜の弦楽器サラサーテは休業させていただき、私北見は両日霞町音楽堂におります。
是非そちらでお会いしましょう。皆さまのご来場をお待ちしております。

2023年
1月15日(日)~1月16日(月)11:30-17:00

霞町音楽堂
東京都港区西麻布4-2-6-B1


オールドヴァイオリンの音色に憧れて購入したものの

もしかしてオールドヴァイオリン 音色が好きというだけで選んでしまってはいませんか?

オールドヴァイオリンの正しい選び方、購入にあたって注意する点

ヴァイオリンはやっぱりオールドでなくては。そう思う方も少なくないでしょう。
しかし、弾いだけの感想、G線の開放弦が柔らかく、優しく深みのある音で響く「これこそオールドヴァイオリンの音だ」とすぐに飛びついてしまってはいけません。そもそもヴァイオリンの開放弦というのは、楽器に最も負荷がかからない状態、つまり楽器にとって最も楽な状態なのです。ですからヴァイオリンが最も振動しやすい、響きやすい、鳴りやすい音なのです。

もちろん真のオールドヴァイオリンの音の特徴として、柔らかい音、包み込むような優しく深みのある音という点は挙げられますが、困ったことに表板が薄すぎるヴァイオリン、後に劣悪な修理で表板を削られ過ぎてしまったヴァイオリン、虫に食われて板がスカスカに軽くなってしまったヴァイオリンなども良いオールドヴァイオリンと似たような音を出すことがあります。

それは、上記のような欠陥により、物理的に板の振動エネルギーが足りていない現象が、一見(一聴?)優しい音、深みのある音に聴こえてしまうのです。それは音、音色には明確な物差し、尺度が無く、その時の印象、その時の主観で判断しているに過ぎないことが多いからです。
熟成した肉と腐りかけの肉の違いのようなもので、優れたオールドとただ古いだけのオールドは、音色は似てはいるけれど実は「似て非なるもの」なのです。音だけで選んでしまうと、後で「こんなはずではなかった」と後悔するようなことにもなりかねません。

開放弦は良い音色だったのに、強い音、大きな音で弾こうとすると全然音が前に出てくれない。全体的に音がもやもやしていて発音がはっきりしない。「もっとはっきり弾いて」と先生から言われる。「細かい音符がはっきりと聴こえない」と人から言われる。低音は良く響くが、高音が霞がかかったように抜けが悪い。そのような兆候がただ古いだけのオールド楽器の典型的な特徴です。

健全な肉体に健全な精神が宿るではないですが、不健康なボディは不健康な音しか産み出しません。
オールドヴァイオリンだけではなく、これは全ての年代のヴァイオリン選びに共通する重要なことですが、特にオールドヴァイオリンを選ぶときには、音だけでは判断せずに、つくり、健康状態などをきちんと確かめるべきです。

一流のプレーヤーが持っている本当のオールドヴァイオリンは、決して優しさ、柔らかさだけの楽器ではありません。何となれば2000人収容のホールでも、あの小さいバイオリン一挺で100人のオーケストラをバックにPA無しで聴かせることができるのですから。それだけのパワー、音のエネルギーを持っていなければ、道具として役に立たないのです。

私はよくクルマを例にお客様にご説明するのですが、内装が木目パネルだったり、本革シートだったりとどんなに車内が豪華な雰囲気であっても、いざ走らせてみたらブレーキの利きは甘い、曲がるときには外にふくらむ、高速では安定せず常にふらふらする。そのようなクルマだったらどうでしょう?
まず誰もがそんなクルマ怖くて乗りたくないはずです。それではクルマとして失格です。
まずは走る、曲がる、止まるといった基本性能をしっかり満たしてなければ怖くて運転できません。そしてそれを満たした上で、趣味的、情緒的な面の充実も満たすならば、つまり木目パネルや革のシート付を選んでも良いと思います。
順番は、基本的な性能をまずしっかり満たしてから情緒面を考えるべきなのです。

ヴァイオリンはもちろんクルマと違って、性能が悪いからといって危険な目に晒されることはないでしょう。しかし、性能の悪い楽器、情緒面だけ格好を付けただけのヴァイオリンでは演奏技術の上達は望めません。一所懸命頑張って練習しても無駄に練習時間を浪費するだけになってしまいます。

もちろん、今回私がご紹介するヴァイオリンはそんな雰囲気だけの道具として使えないヴァイオリンではありません。古い楽器の音色の良さを保ちながら、健康的な音を持つヴァイオリン、専門家の使用にだって充分耐えうる楽器です。

イタリアン偏重の日本においては、高い価格のドイツ製のヴァイオリンは人気が無いという理由だけで世間に紹介されていませんが、500万円とか600万円とか出せれば、状態、性能、音色の優れるオールドヴァイオリンを手に入れることは可能だと思います。しかし今回のような価格帯でこのような優れたオールドヴァイオリンをご案内できることは私にとっても滅多にないことでした。

真のオールドヴァイオリンとはどのようなものなのか?ぜひご自身の試奏でお確かめください。

 

オールドヴァイオリン(Klotzラベル)Ca.1800
税込販売価格:Sold

 

オールドヴァイオリン

オールドヴァイオリンのf字孔オールドヴァイオリンのスクロール

 

厳選されたオールドヴァイオリンのみをお届けすることを弦楽器サラサーテはお約束いたします。

 


モンタニャーナ型 チェロ 中国製新作販売

モンタニャーナモデル(Montagnana Model)中国製新作チェロのご案内

ドメニコ・モンタニャーナ(Domenico Montagnana)のチェロは多くのチェリストを魅了しました

1686年に生まれ、イタリアのヴェニスで活躍した製作家、ドメニコ・モンタニャーナ(Domenico Montagnana)の作ったチェロは古今東西、多くの名手(ピアティゴルフスキー、シフ、ヨーヨ・マ、マイスキー、堤剛、木越洋等々)たちに愛され、演奏されてきました。

ヴァイオリンにおいてはアントニオ・ストラディヴァリ(Stradivari)がその後のヴァイオリン作りの規範になり、世の中の9割以上のヴァイオリンがいわゆるストラド型というパターンのものとなりました。

ところがチェロの世界ではヴァイオリンのようにストラドが1番というわけではありませんでした。したがってみんながみんな、ストラドのパターンで楽器作りをしたというわけではないのです。

もちろん、ストラドのチェロが悪いはずはないのですが、それに匹敵するものとして、先にご紹介したモンタニャーナ(Domenico Montagnana)やカザルスが愛奏したゴフリラー(Matteo Goffriller)、ガリアーノ(Gagliano)やランドルフィ(Landolfi)なども挙げられるのです。

今回ご紹介いたしますのは、ドメニコ・モンタニャーナのチェロをモデルとした新作チェロです。

ご覧いただいてまずお判りになるのが、その特徴的な姿でしょう。ストラド型よりも横幅が広く、かなり堂々とした風貌に見えます。しかし意外なことに、全長はストラド型よりも短いのです。
モンタニャーナ型で製作されたチェロは、横幅の広さが楽器全体の容積の拡大に影響し、そのせいでしょうか低域の量感がストラド型より豊かに響く傾向があります。チェロ選びで、低弦の充実さを重視したい方にとって、モンタニャーナ型の楽器を選ぶというのはアリだと思います。

ただ、注意していただいたいのはハードケースへの収納。先ほどからご説明していますように、一般的なストラド型(Stradivari型)のチェロに比べますと横幅があるので、通常のハードケースへは収納できない場合があります。ハードケースをすでにお持ちの方は、買い替えが必要になるかもしれません。また新規にハードケースをお求めになる方も、実際に収納できるかを確かめられることをお勧めいたします。

このチェロは実は中国で今から約10年前2010年頃に作られました。ただそれはまだ白木の状態、ニスを塗らない状態でした。
その後そのままの状態で、10年間自然乾燥させられていました。
もちろん製作時には既に充分乾燥した材料を使用していますが、組み上げた後ににニスを塗らずに寝かされて?いたわけです。

これはある製作者から聞いた話ですが、楽器をいったん組み上げた後、しばらくそのままの状態で放置して、自然光で木が焼けて少し着色するのを待ってからニスを塗るのが、色合い的に良い仕上がりになるのだそうです。

でもなぜ皆それをしないかというと、もちろん、そんな作り方は生産効率が著しく悪いからです。いくら仕上がりが良くなるとは言っても、白木にすぐニスを塗って出荷すればお金が入ってくるのに、何も10年も放っておく手はないでしょう。そんなことでは全く商売になりませんから。
最近でこそ少なくなったかもしれませんが、以前は本当にニス塗りたて、これで本当に一定期間乾かしたのだろうか?というようなまだ柔らかいニスのイタリア新作を見かけましたが、商売上のからのことだったのかもしれません。

このチェロはその真逆なことをやったわけですが、推測に過ぎませんが、優れた見た目、音響効果を持つ良い材料を手に入れた製作者が、それを組み上げた後何年間か寝かし、より優れた究極のチェロを製作してみたくなったのかもしれません。

またニスは、楽器の振動に極力影響を与えないように、厚みを薄くできるオイルニスを塗っています。この作業は日本で行われています。

クレモナの新作に良く見られる飴のような透明感のある、厚いニスは、見た目は大変美しいのですが、そのニスの厚みが楽器の振動、表板の振動を妨げてしまうことも少なくありません。
実際、このチェロの深みのある、落ち着きのある音は、このオイルニス厚すぎないニスの効果ではないかと思います。

中国製モンタニャーナ型チェロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Montagnana型の横幅中国製新作チェロのスクロール

税込販売価格:1,100,000円

まずはご試奏にてこの堂々たる姿、そして最良の材料、ニス、いわば中国と日本の技術の粋を結集させた究極の新作チェロ、その見事な響きをぜひお確かめください。

皆様からのご来店のご予約をお待ちしております。

 

ご参考までにこちらもご覧ください

チェロのパターン・ストラディヴァリ型とモンタニャーナ型の違い

チェロ、Montagnana(モンタニャーナ)型の特徴について

モンタニャーナ型チェロのハードケースへの収納について

 

 


ヨーロッパ製完全手工ヴァイオリンが低価格でも購入できます

ハンガリー 製 完全手工ヴァイオリンのご案内

Balazs Akos工房製 2018 Budapest

Balazs Akos ハンガリー製工房製ヴァイオリン

Balazs Akos工房製ヴァイオリン

Balazs Akos工房製 2018 Budapest
税込販売価格:Sold

 

今回ご紹介するヴァイオリンは、ヨーロッパと言っても、人件費が安い国(ハンガリー)、そして親方Balazs Akos 本人の作ではなく、工房作、Workshop、Atelier、Bottegaなどと呼ばれる弟子が製作した楽器ということで、ドイツやフランスの量産品並の価格で完全手工ヴァイオリンを手に入れていただくことができました。

ハンガリーは実は歴史的にヴァイオリンの演奏、教育の分野で非常に重要なポジションにある国でした。
ヨアヒム(ブラームスと親交が深く、ブラームスの協奏曲を初演)、アウワー(エルマン、ジンバリスト、ハイフェッツ、ミルシテインなど名ヴァイオリニストを育てた)、カール・フレッシュ(音階教本で有名)、フバイ、ノヴァチェック、そして日本のヴァイオリニストにも多大な影響を与えたシゲティなど、数々の名ヴァイオリニスト、名教師を輩出したのです。

ハンガリーは歴史的にそのような国だったわけですから、ヴァイオリン製作の分野でもかなりの水準を持っていたのではないかということが想像されます。

価格の安い弟子の作、工房作とは言っても、決して品質の劣るもの、安かろう悪かろうではありません。この楽器の製作精度、製作した職人の技術はかなり高いものです。それはスクロール(渦巻)のつくり、雰囲気を見ればどなたの目にも明らかでしょう。ただ手で掘りましたというレベルではなく、見ていて実に美しい、柔らかさ、優雅さが伝わってくるスクロールになっているかと思います。

もちろん渦巻だけで楽器の良し悪しを判断するのは危険ですが、もちろんこのヴァイオリンはその他のつくりも見事です。表板、裏板の隆起、そして板の厚みの分布など完璧です。
それは弾いていただいた時の、楽器の音の立ち上がり(反応)、楽器全体、胴体に残る響きから容易に判断していただけることと思います。
ですからこの楽器とドイツやフランスの量産品が勝負になるはずはありません。

 

こちらの記事 やっぱりヴァイオリンはイタリアが一番なの?もご参照ください。

弦楽器サラサーテでは正しい楽器の選び方、後悔しないヴァイオリンの選び方をお教えします。


ブルガリア製作家 新作ヴァイオリン入荷しました

外観はイタリア、クレモナ新作そっくり、でも価格は1/2

コスパ抜群。ブルガリア製新作ヴァイオリン販売のご案内

ブルガリアといえば、ヨーグルト。ヴァイオリンを連想する方はまず少ないかもしれません。しかしブルガリアの製作家は古くからクレモナと交流があり、Kazanlakはヴァイオリン作りの街として知る人ぞ知る存在だったのです。

そのブルガリア人ヴァイオリン製作家の中には、クレモナに移住してしまっている人も何人もおります。やはりクレモナというネームバリュー、ブランドが欲しいのでしょうか。しかし、クレモナに移ってしまうと価格が以前の倍、要するにイタリア、クレモナ仕様の価格になってしまうことも少なくありません。

イタリアで生まれ、イタリアの製作学校を卒業し、イタリアで製作した。それだけでヴァイオリンの出来不出来にかかわらず高い販売価格が約束されてしまいます。ですが、イタリア、クレモナという生産地、イタリア人が作ったということだけでは、何らヴァイオリンの品質、音を保証したことにはなっていません。
本当は、良いものだから高い価格が付けられるはず、それが許されるはずなのですが、多くの日本人は高い価格だからきっと良いものに違いないと思い込むふしが往々にしてあります。
だから有名製作者のヴァイオリンなどが、高い値段だからとかえってそれが安心材料になるのでしょう。しかし、実はとてつもなくコスパの悪い買い物をしているのかもしれません。

もちろんイタリア人の製作したヴァイオリンにも価格に見合う素晴らしい楽器もございます。私が言いたいのは、盲目的にイタリアという国籍や、製作家の知名度、楽器の値段が高価格なことを良い方向へ解釈し、良いものに間違いないと信じてはいけないということです。

今回ご案内いたします2台のヴァイオリンは、イタリアではなくブルガリア国内での製作のためリーズナブルな価格に抑えられています。

外観はまさにイタリア、クレモナ新作。やや厚めに塗られた透明感のあるニス、そして厳選された材料は、眺めていてうっとりするほどの出来栄えです。

ただイタリア新作ですと強い音、大きな音は出ても弱音が痩せる、低音が響かない、高音がキンキンするという楽器が少なくありません。それが嫌で、新作楽器を敬遠される方もいらっしゃるのではないでしょうか。私の店にお問合せくださるお客様にも「新作以外で」とわざわざリクエストされる方がこれまでにも何人もいらっしゃいました。

しかしながら、この2台はともに、出来立ての状態の新作ヴァイオリンですが、低弦からE線までバランス良く、そして実に滑らかに響きます。ですから、「新作ヴァイオリンはちょっと」と今まで敬遠されていた方にも自信を持ってお勧めすることができます。

外観はクレモナ新作、音はそれ以上、おまけに価格は半額ときたらまず言うこと無しですね。

こちらの記事 やっぱりヴァイオリンはイタリアが一番なの?もご参照ください。

 

ブルガリア製新作ヴァイオリン

Genadi Slavov 2021 Kazanlak (Stradivari 1715 Model)

Sold

 

新作ヴァイオリンブルガリア製

Stoyko Chobanov 2021 Kazanlak (Stradivari 1715 Model)

Sold

 

弦楽器サラサーテでは正しい楽器の選び方、後悔しないヴァイオリンの選び方をお教えします。


クレモナ新作ヴァイオリン展示会次終了。2/12(金)から2/16(火)5日間連続で行いました

33台のクレモナ新作名器の弾き比べができる展示会が西麻布の霞町音楽堂で開催されました

イタリアの至宝クレモナ新作ヴァイオリン展示会 2/12(金)より5日間 開催しました

クレモナ弦楽器製作者協会の選りすぐりのヴァイオリン25台、ヴィオラ4台、チェロ4台計33台の新作名器があなたのご来場をお待ちしております。

 

第1回目、1/22、23の様子はこちらの動画をご覧ください

 

 

 

この展示会に出品している製作家、クレモナ弦楽器製作者協会の会員の特徴としては、イタリア人以外の国籍の製作者も何人かいるということです。そのせいでしょうか、ヴァイオリンの仕上げ、ニスの塗り方がイタリアの伝統的なスタイルであるフルヴァーニッシュ(透明感のあるニスの単色仕上げ)ばかりではなく、オールドフィニッシュ、アンティーク仕上げの楽器もかなりあるように見受けられました。

そして、音の傾向もモダンイタリアの巨匠たちの作品の流れをくむ、輝かしい音ではあるものの、弱音のニュアンスに乏しいやや硬質な響きであったり、低音に鳴らしにくさが残るものではなく、もっとこなれたどの音域もまんべんなく鳴る楽器が多いように思いました。つまり弾きこまなくても明日のコンサートにもすぐ使える楽器ばかりなのです。これは新作楽器でこれまでずっと言われ続けた「最初は鳴らない、弾きこまないと使えない」というような風評を払拭する画期的なことだと思います。

ざっと楽器を見渡すと、ニスの仕上げ、塗り方すなわち見た目は上記のように、ヴァリエーションが豊かですが、音を出してみると、どの楽器も鳴らしやすく、どの楽器が一番かかなり迷いそうです。

どうか、心ゆくまで弾き比べて、あなたのお気に入りの1台を見つけてください。

 

第一回の開催風景はこちらからご覧になれます

 

東京・神奈川正規代理店共催展示会 会場:霞町音楽堂

106-0031 東京都港区西麻布4-2-6-B1

開催日時:2/12(金)-16(火)13:00 – 18:00 終了

お問合せ: MAGICO Call 0120-878797

弦楽器サラサーテ045-989-1599 、090-1466-0322

 

他の地区の展示即売会の日程は以下の通りですお近くの方は是非お立ち寄りください

2/20-22:鹿児島 @シティエラ 弦楽器SAKODA

2/26-28:京都 VIRTUOSO VIOLINS 京都四条烏店

3/5-7:静岡 弦楽器専門店 リジカーレ

3/10-14:宮城 松尾弦楽器仙台店

3/17-21:大阪 松尾弦楽器大阪店

3/26-28:名古屋 @千種駅前5/R Hall & Gallery VIRTUOSO VIOLINS 名古屋駅前店  


イタリア・クレモナ新作弦楽器展示会終了しました@霞町音楽堂

ヴァイオリンの聖地クレモナから届いた名器たちに触れるまたとないチャンス!

第1回目は終了いたしました。

クレモナ弦楽器製作者協会展示会会場

どの楽器もご自由にお試しいただけます

バイオリン:枝並千花 ピアノ:山口ちなみ チェロ:古川展生

ヴァイオリンの聖地イタリアはクレモナには、ストラディヴァリ、アマティ&グァルネリ等、歴史に名を残す名匠の伝統を守り、現代におけるクレモナのヴァイオリン製作を広く知っていただくための組織「クレモナヴァイオリン製作者協会(コンソルツィオ)」が存在します。

1996年に設立された同協会には、現在約60人の熟練した弦楽器製作者たちが所属。彼らの作品を、世界中の演奏家、そして音楽愛好家の元へ届けるルートが確立されています。

また、このクレモナヴァイオリン製作者協会は贋作を防ぐ努力も行っております。その証が、製作者自身の証明書とは別にもう一通協会自らが間違いのない本物、真作の証明として付ける権威ある証明書なのです。

ユーザーの皆様は、この2通の証明書によって、本物の間違いのないクレモナ新作楽器を手に入れたという安心感を持つことができるのです。

このたび、クレモナヴァイオリン製作者協会の日本総代理店となる「コンソルツィオJAPAN」のもとに、クレモナの協会から32本の弦楽器(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)が送り込まれてきました。

日本で例年秋に行われていた弦楽器フェアは昨年2019年は新型コロナウィルスの感染拡大防止ということで中止になってしまいました。その中止により、皆様にたくさんのクレモナの新作楽器に触れていただく機会を失ってしまたのでした。ですからこの展示会はイタリア新作、クレモナ新作楽器をご覧いただき、お試しいただくまたとないチャンスになると存じます。イタリアクレモナ新作ヴァイオリン

弦楽器サラサーテはコンソルツィオジャパン神奈川正規代理店ですが、横浜と東京は近接しており、通勤、通学圏でもありますので、今回は東京の正規代理店IL VIOLINO MAGICOさんとの共催で展示即売会を行います。皆様ご都合のよろしい日に奮ってご来場ください。

また今回はお客様の長時間の移動をできるだけ避けるために、東京1か所だけでなく、全国7か所の会場での展示即売会の開催を計画しております。

「コンソルツィオジャパン」の詳細についてはこちらをご覧ください

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東京・神奈川正規代理店共催展示会 会場:霞町音楽堂

106-0031 東京都港区西麻布4-2-6-B1

開催日時:1/22(金)-1/23(土) 13:00 – 18:00(終了しました)

     1/31(土)-2/1(日) 13:00 – 18:00(中止になりました)

     2/12(金)-16(火)13:00 – 18:00(終了しました)

お問合せ: MAGICO Call 0120-878797
弦楽器サラサーテ045-989-1599   090-1466-0322

 

他の地区の展示即売会の日程は以下の通りです。お近くの方はぜひお立ち寄りください

2/20-22:鹿児島 @シティエラ

弦楽器SAKODA

2/26-28:京都

VIRTUOSO VIOLINS 京都四条烏店

3/5-7:静岡
弦楽器専門店 リジカーレ

3/10-14:宮城

松尾弦楽器仙台店

3/17-21:大阪

松尾弦楽器大阪店

3/26-28:名古屋 @千種駅前5/R Hall & Gallery

VIRTUOSO VIOLINS 名古屋駅前店