Armando Giulietti 1980 Milano

価格:¥ 3,200,000(税抜)

ミラノのモダンイタリアヴァイオリンArmando Giulietti 1980のご案内です。

ひと頃のユーロ高のせいもあり、イタリアモダンヴァイオリンの販売価格は随分と高くなってしまいました。そのために、楽器をお探しの方はご予算を上方修正された方も多いのではないでしょうか。

でも、ヴァイオリンの価格が上がればその分必ず音が良くなるかというと、意外にそういうものでもないなあとお思いの方も多いのではないでしょうか。
まことに申し訳ないのですが 『価格と音(性能)が比例しないことが(よく)ある』 のが手工弦楽器の世界なのです。もちろん、証明書や鑑定書の類も音を保証するものではありません。

モダンイタリアヴァイオリンの良さは、密度のある充実した音、強く引き締まった音だと思います。しかし鳴らしにくい楽器や実際に鳴らない楽器が多いことも事実です。
この鳴らしにくさや鳴らないという悩みは、名工の、そして間違いの無く本物といわれる楽器にも実際起こり得ます。それは多くのモダンイタリーのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの持つ特徴、すなわち板が厚い、ニスが厚いということに起因しているからです 。
でも、名工のそして間違いの無い本物ということになりますと、価格だけはとてつもなく高価になってしまいます。これだけははっきりしております。
そのような高価なものが鳴らない、鳴らしにくい、良い音がしないなどということは、普通に考えますと有り得ない、そして有るまじきことなのですが、手工弦楽器の世界では信じられないかもしれませんが、普通にしばしば起こってしまうのです。

私がこの仕事を始める前、一介の弦楽器愛好家だった頃、ある弦楽器店で モダンイタリアの名工 Gaetano Sgarabotto (ガエタノ・ズガラボット)のヴァイオリンを見せてもらったことがありました。
まるで新品のように見えるほどコンディション良好のその楽器は、遺族によって蔵出しされた楽器の中の1台で、併せて出版された Sgarabotto親子の書籍の中にも掲載されているという、まず間違いの無い真作と言って良い楽器でした。 価格は、今から25~30年ぐらい前だったでしょうか、その当時の販売価格ですでに600~650万円だったように記憶しております。

ところがその楽器が全く鳴らないのです。小さな貧弱な音しか出ません。
同席していた私の妻は、店を出た後、ス〇キ(日本の代表的量産メーカー)の方がまだマシなんじゃあないの言っておりましたが本当にそのような感じでした。音色や音の好み云々以前に、楽器が全く鳴ってくれないのです。
もちろん、お店の方は落ち着き払った態度で「弾き込めば必ず鳴るようになります」とおっしゃっておられましたが・・・、私も妻も、「そんなはず無いだろう!」と思いました。

イタリアの著名な製作家、間違いの無い本物、完璧なコンディション、価格が高価なヴァイオリンであっても、音は大したことがないことがあるのだということは大変衝撃的でありましたが、(その時は、まさか自分がこのような仕事に就くとは思ってもいませんでしたが)今思うと現在の仕事に繋がる貴重な事実を知る体験をしていたのだなあと思います。

今回ご案内のヴァイオリンAlmando Giulietti は年代は若いし、それほど有名な製作家のものではありません。(それが故に価格が安く抑えられている訳なのです) しかし、 つくり、そして性能(音響特性)は申し分の無い素晴らしいものです。
これだけ低弦がしっかり鳴るイタリアモダンのヴァイオリンはなかなか見つけられないでしょう。

是非、モダンイタリーの有名製作家 800円~1500万円 クラスのヴァイオリンと何がどう違うのか比べてみていただきたいと思います。800万円~1500万円の販売価格のヴァイオリンを購入されるのはそれからでも遅くありません。
そしてそういう方には 本当に800万円~1500万円のお値段に値する実力を持ったヴァイオリンをしっかりとお探しいただきたいと思います。製作者の知名度や証明書の有無などばかりに気を取られていてはいけませんよ。

よく「裏板から鳴らすように弾きなさい」とか「裏板が鳴ってきた」というような表現で、楽器の鳴りや鳴らす感覚を表すことがありますが、その裏板が鳴る感覚がいったいどのようなものなのかをこのヴァイオリンは教えてくれるに違いありません。

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