バイオリン(ヴァイオリン)販売・専門店・
弦楽器サラサーテ・東京(渋谷)から25分

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Marco Dobretsovitch ca.1945( labeled Orfeo Carletti 1937 )

価格:¥ 9,350,000(税込)

ヴァイオリン表板
ヴァイオリン裏板
ヴァイオリンの渦巻き
Eric Blotによるヴァイオリンの証明書
 

モダンイタリーを超える。イタリアで学んだ製作家の優れたヴァイオリン

Marco Dobretsovitch(1891-1957)一瞬何と読んだら良いのか困りますが、マルコ ・ドブレチョビッチ は1914年に故郷のモンテネグロを離れ エジプトに移住しました。
1920年に彼はボローニャの著名な Augusto Pollastri (ポラストリ)の工房で修業するためにイタリアに渡りました。
1925年の後はエジプトに戻りアレクサンドリアに住み、更に41年にはカイロに移ります。

彼の製作したヴァイオリンはクーベリック、フーベルマン、ハイフェッツ等に所有され 高く評価されたと辞典に書いてあります。(もちろんメインではなく、セカンドという扱いだと思いますが・・・)

Pollastri ラベルの楽器の中には彼の作品があると言われていますが、このヴァイオリンはOrfeo Carletti (カルレッティ)ラベルです。
このDobretsovitchとOrfeo Carletti 本人作というヴァイオリンの写真を比較すると、このDobretsovitchの方が遥かにシャープでクリーンな優れた楽器のように見えます。
(以前、Pollastri ラベルのヴァイオリンで 実はOrfeo Carletti 作という楽器を見ましたが、この辺りの製作者同士の関係は実に微妙で複雑です)

製作者の国籍、製作地からは純粋なモダンイタリーとは言い難いのかもしれませんが、修業経験からはボローニャスクールと言えます。
そしてこのDobretsovitch、多くの純正モダンイタリアヴァイオリンよりもむしろ優れた楽器と言えるのではないでしょうか。
特に表板の見事な隆起や切れ味の鋭いf字孔、そして正確なスクロール。これだけを見てもこの製作者の腕前が並々ならぬものであることは誰の目にも明らかでしょう。
また、その隆起にマッチした厚すぎない板の厚みは、モダンイタリアらしからぬ深みのある低音をもたらしています。しかしながら、イタリアモダンの特徴でもある輝かしい高音、圧倒的な音量も併せ持っています。まさに、音高、音大生、そして演奏家向きの高いパフォーマンスを持っています。
辞典に必ず書いてある、上記のクーベリック、フーベルマン、ハイフェッツのくだりもさもありなんと言えるかもしれません。

そもそも皆がイタリア製、イタリア製と言ってイタリアのヴァイオリンを欲しがりますが、イタリア人が作れば(外国で製作しても)良いのでしょうか、それともイタリアで作れば(イタリア以外の外人が作っても)良いのでしょうか。イタリアのヴァイオリンはどう定義されるべきなのか?皆さんその辺どう考えているのでしょうか?

私はイタリア人、イタリア製つまり国籍にこだわらずに、ただ良いヴァイオリン、優れたつくり、性能の楽器を選び、購入する。イタリア的なヴァイオリンは、イタリアのエッセンスを持つ楽器は、イタリア人以外にも、そしてイタリア以外の国でも作れること。この当たり前のことにそろそろ気づくべきではありませんか。

弦楽器サラサーテは、国籍、年代、製作者の知名度にかかわらず、真に優れたつくり、性能、音の楽器のみを販売します。