耳で聞くオーケストラスタディ
orchesutra pro series viola
SUMMIT RECORDS DCD 217
オーケストラのヴィオラ名曲集。
「オーケストラスタディ」略して「オケスタ」という譜面集があるのはご存じだろうか。
オーケストラで使われる楽器の目立つ箇所、難所を抜粋してまとめた楽譜集のことで、
オーケストラの入団試験などでは、ここから出題されることがしばしばある。
いわば「試験に出る英単語」のオケ版というものなのだ。
そしてこれはそれが耳で聴けるという貴重なCDである。
ヴィオラはロバート・ヴァーノン。
1976年からクリーヴランド管弦楽団の首席ヴィオラ奏者として、
また室内楽、ソリストとして活躍している名手。
そんな名手がオケの中ではどんな音でどんな弾き方をしているのか。
つまりオケのヴィオラ弾きはどんな音、弾き方が望まれているのかが
はっきりわかる貴重な資料なのだ。
音の録り方も、残響が少なく、まるで自分の部屋で弾いているような
妙にリアルな臨場感も格別である。
世の、アマチュアヴィオラ弾き諸君。
この音を規範として、ヴァイオリン弾きを見返してやろうではないか!
主な収録曲目
リヒャルト・シュトラウス | ドン・キホーテ ドン・ファン |
コダーイ | ハーリ・ヤーノシュ |
ラヴェル | ダフニスとクロエ マ・メール・ロワ |
メンデルスゾーン | 真夏の夜の夢 |
ベルリオーズ | ローマの謝肉祭 |
マーラー | 交響曲第10番 |
グリーグ | ペールギュント |
チャイコフスキー | 交響曲第6番 |
ブルックナー | 交響曲第4番 |
エネスコ | ルーマニア狂詩曲 |
ショスタコーヴィチ | 交響曲第5番 |
他5曲 |
演奏者自身のコメント(英語)が入った後に演奏される。
私自身面白かったのは「メンデルスゾーンの真夏の夢」。
いかにもヴィオラヴィオラしたパートである。
旋律と判る部分はほんの一瞬だけで終わってしまう。
そのくせやたら忙しく、動き回っている。
優秀な奏者が全部音にしてしまうと、滑稽なくらいである。
ヴィオラ奏者以外の方は始めの部分を聴いただけでは全くこの曲が何の曲かわからないはずだ。