バイオリン(ヴァイオリン)販売・専門店・弦楽器サラサーテ・東京(渋谷)から25分

完全予約制 10:00〜19:00 不定休

レジス・パスキエ|パガニーニ カプリース全曲

  パスキエのパガニーニ・カプリース全曲
パスキエのサイン

Avi / 8553059

パガニーニ: カプリース 作品1 全曲

ヴァイオリン:レジス・パスキエ
使用楽器:Domenico Montagnana 1742  録音:1991年 パリ

パガニーニのカプリースと言えば、専門家を目指すヴァイオリン奏者が絶対に避けて通れない曲ではありますが、とにかく超絶技巧のオンパレードで、コンクールや入試にも頻繁に取り上げられていますね。それだけ、ちょっと弾かせてみればすぐにその人の技量がわかってしまうという、もの凄く怖い曲なのです。

私は演奏の完璧性ということから、これまでずっと五嶋みどりのCDを愛聴してきており五嶋みどりました。
これがわずか17歳の時の演奏というのがまた驚きなのですが、メカニカルなテクニックの部分においては、ある程度小さい年齢の時に完成されているべきであるということなのでしょうね。失礼ながら、○○音大の教授や△△コンクールの審査員の先生方が果たしてここまで弾けるかというとちょっと疑問ですね。
そのような素晴らしいテクニックに基づいた演奏なのですが、全曲を通して聴こうとすると、あまりにも張りつめた緊張感の為に、何だか息が詰まるような気がしてまいります。決して聴いていて楽しくないのです。
それはどんな音符(細かい音符、フラジオレット等)も均一に弾いた結果、(実際はそれすら実現するのは非常に困難なことなのですが)それぞれの曲の性格や、曲の中の表情の変化がやや希薄になってしまっているからではないでしょうか。ヴァイオリニストの鍛錬の為の曲だから、聴いていて楽しいはずはない。観賞用としては二の次で良いのだと言ってしまえばそうなのかもしれませんが・・・・

ところがレジス・パスキエのCDを聴いてみるとそうではありませんでした。何と変化にとんだ演奏なのでしょうか!全24曲、思わず面白くて、つい聴き通してしまいました。
例えば非常に良く知られている13番を聴いてみると、こんな弾き方がまだあったのかと驚かされます。そして試験以外ではまず弾かれない練習曲のような16番。誰がどう弾いてもつまらない曲なのですが、これがパスキエの手にかかると、音楽に流れがあり、生き生きとしたものに生まれ変わります。パガニーニ全曲を聴いて、楽しい、面白いと思うような経験は正直これが初めてでした。

パスキエ記念撮影2009年にパスキエが来日した際にこのCDのブックレットにサインを貰ったのですが、その時に撮らせていただいた写真が左の画像です。(右は私の娘です)
その時に自らの頭を指差して、CDの写真とこんなに違ってしまったとひょうきんな表情をしていたのが印象的でした。非常にフレンドリーな方でしたね。

その2009年にはフランクのヴァイオリン・ソナタを生で聴きましたが、スケールの大きさに圧倒される名演でした。しかも暗譜で完璧に弾かれていましたね。

ヴァイオリンはこのCD録音に関しては Montagnana 1742 となっておりますが、おそらく現在はGuarneri del Gesu を使用されているのではないかと思います。