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Riccardo Bergonzi 1991 スクロール部を注意して見てみる

Riccardo Bergonzi と言えば、現在ではほとんど作る楽器はオールド仕上げの楽器になっていると思います。この楽器が作られた1991年というのはまだ彼が30歳のときで、現在作っている楽器と比較すればフルヴァーニッシュ(新作仕上げ)と言えるでしょう。
ところが、細部を見てみると普通のフルヴァーニッシュの楽器とはちょっと違う気がします。
スクロールの細部をご覧下さい。

渦巻きの中をわざと黒く染めて、オールド楽器のように見せています。
また、スクロールの背中も角を落として使い込まれた古い楽器の雰囲気を出そうとしています。
新作楽器であるならば、(たとえ10年~20年弾かれていても)渦巻きの中がこんなに汚れたり、スクロール背面が滑らかになってしまうことはないでしょう。

これを見ると、この頃からすでに彼がオールド楽器の雰囲気にあこがれ、それを自分の作る楽器にも表現しようと少しずつ試みていたことがわかります。
もちろん渦巻きをオールドっぽく仕上げたからといって音がオールド風になるはずはありません。
ですが、オールドの楽器を研究し、雰囲気を取り入れ、楽器のつくりも研究した結果は当然音にも現れてくるものと思われます。

Bergonziの目指したもの、やりたいことが何だったのかがわかる気がしませんか?