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Dario Occhipinti の秘密その2 解答編

秘密2の出題意図は Occhipinti の楽器作りに影響を及ぼしているものが何なのかを当てていただこうということでした。
こんなに緻密に楽器を作る(作れる)のはどうしてなのだろうか?その理由を探ってみようということです。
画像をご覧いただいておわかりの通り、3人のヴァイオリン工房はそれぞれの名前をつけていますが、実は同一の場所なのです。これが秘密その2です。
“何だそんなことかくだらない”とお思いでしょうが、彼の作風にはこの人的つながりが大きく影響しています。

3人中一番年長なのが Marcello Ive(1962年生まれ)ですが、彼らが集まって仕事をしている理由は、よくある師弟関係でも、効率を重視した共同製作のためでもありません。言わば自然発生的なものなのです。 類は友を呼ぶとでも申しましょうか製作に対する考えを同じくする若手ヴァイオリン職人どうしが互いに切磋琢磨するために集っているということなのです。。
彼らのヴァイオリン工房には電話もFaxもありません。工房ではひたすら製作に専念するためです。 そんなところにも実は彼らの製作に対する純粋で真摯な姿勢を見ることができるのです。これこそ職人の鑑と言えるでしょう。

私は今回 Dante Fulvio Lazzari やIveと一緒にいる人間の仕事ぶりはどんなだろうかという軽い気持ちでもって Occhipinti にヴァイオリンを発注したわけですが、実際出来上がった楽器を見て、そのあまりのLazzariやIveの楽器との類似性、精度の高さに驚きました。期待をはるかに超えた出来です。 まさに人間は 朱に交われば赤くなるのです。もちろん本人の才能、努力あってのことだとは思いますが・・・・。
Dario Occhipinti

1964年シシリーで生まれる。1978年クレモナに移る。楽器製作を彼の兄弟の友人であるMassimo Negroni、クレモナのヴァイオリン製作学校ではPrimo Pistoni、Gio Batta Morassi に教わる。 製作学校在学中は同級生のDante Fulvio Lazari と親交を深める。
1985年~1993年 友人であるD.F.Lazzari のヴァイオリン工房に出入りし、Marcello Ive とも親交を深める。そして同じ工房で働くことを決意する。
彼はヴァイオリン作りの原点への回帰を目指し、A.Stradivari などの特に優れた作品を仔細に研究している。

1987年Bavenoコンクール第3位
1997年クレモナトリエンナーレコンクール第3位

製作精度を厳しく維持するために、彼の楽器は年に5台程度しか作られない。