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Marcello Ive と同じグループ に属するイタリア新作ヴァイオリン D.F.Lazzari の2003年の楽器は前作 同様相変わらず繊細で丁寧なつくりです。コンクール歴の割には宣伝も地味ですし、製作スタイルも一人でコツコツと作っています。 そういった、性格、生活スタイルが製作するヴァイオリンにも反映されているのは間違いありません。
「このように馬鹿丁寧に作っていては、決して台数を多く作れない 。」とこの楽器を見たヴァイオリン職人は口々に言いますが、 D.F.Lazzari そして彼の仲間たち にとってはそんなことは問題になりません。彼らの目指すものは、商業ベースではなく、納得のいく仕事、完璧な仕事なのですから。
音についても毎回感心させられますが、新作に良くありがちな弱音での表現力の弱さが全く見られません。おそらくそれは、倍音が豊かに出ているからだと私は思います。だからこそ(Iveをはじめ)D.F.Lazzari のヴァイオリンは演奏家にも支持されているのです。新作ヴァイオリンのハンデを全く感じさせません。音の上からは間違いなく新作ヴァイオリンの中ではトップクラスでしょう。
クレモナの楽器はどれも同じだ、新しいヴァイオリンは弾き込まないと使えない、新作ヴァイオリンは音は大きいが表現が単調だとお思いの方、一度この楽器をお試しになってみてください。
なお、私の知る限り Cremona に Lazzari という姓のヴァイオリン職人は他に2人おります。そのためこの人については Lazzari ではなく Dante Fulvio と呼ばれることも少なくありません。(因みに三者の血縁関係は無いそうです)