ヤッシャ・ハイフェッツ|神のヴァイオリニスト|DVD

ヤッシャ・ハイフェッツDVD
若き日のハイフェッツ

EUROARTS 2058538

神のヴァイオリニスト ヤッシャ・ハイフェッツ

・神のヴァイオリニスト
・「師レオポルド・アウアー
・アメリカへ
・世界ツアー
・カリフォルニア時代
・編曲者としての活躍
・愛国者としてのハイフェッツ
・教育者として
・友人たち
・家族について
・海と孤独
・終わりに

字幕:英語, ドイツ語, フランス語, 日本語

ヤッシャ・ハイフェッツの自伝です。
これはヴァイオリン弾きを志す方、ヴァイオリンを愛好される方に絶対にご覧になっていただきたいDVDです。伝説ではなく、このような凄いヴァイオリニストがごく最近まで実在していたのですから。

演奏シーン、レッスン風景、そして関係者のインタビューなどDVDにはこれでもかというくらい貴重な映像が詰まっています。演奏シーンでは魔法のようなボーイング、正確無比な左手のテクニックに注目です。弓の毛は現代の奏者のように強く張ってはいませんが、実に軽やかで切れ味の鋭いスピッカートを聴かせてくれます。
そしてプライベートなシーンもかなりあり、それを見るとハイフェッツが楽器を離れればごく普通の人だったのかと思わせます。しかし、それも演じていただけであるという見方もあり、興味深くこのドキュメンタリーを視ましたが、結局ハイフェッツの人柄については多面的、複雑で良くわからなかったというのが正直なところです。

少年時代父親が練習に厳しかったことや、ハイフェッツを聴いたクライスラーが、同業者は今後皆楽器を叩き割った方が良いと言ったエピソード。ジュリアードを訪問した際に、少年パールマンに音階を弾かせて、それに見事にパールマンが応えたこと等々、面白いエピソードは枚挙に暇がありませんが、注目すべきは1923年の関東大震災直後に日本に訪れた際の貴重な無声映像です。
ハイフェッツは1917年に来日したことがありますが、その際に訪れた場所が震災で変わり果てた姿にショックを受けます。しかし、すぐにチャリティー・コンサートを開き多くの被災者に対し心に染みる演奏をしました。演奏会はホール崩壊の恐れから野外で行われましたが、数え切れないほどの聴衆が集まったことが映像から見てとれます。
人々の救済のためにスター、著名人、音楽家がチャリティ・コンサートを開くことは今でこそ日常的になっていますが、当時は珍しいことで、ハイフェッツがそういった運動を定着させたということです。冷徹無比な演奏スタイルからは想像がつきませんが、ヒューマニストだったのですね。もし今彼が生きていたら、東北の被災地でヴァイオリンを弾いて聴かせてくれたかもしれませんね。