カテリーナ・マヌーキアン|エレジー&ラプソディ|CD

カテリーナ・マヌーキアンCD

VICC-60118 (輸入盤 MAR 215

エレジー&ラプソディ   カテリーナ・マヌーキアン

イザイ::悲劇的な詩op.12
ドヴォルザーク/クライスラー:スラヴ舞曲第1番
ドヴォルザーク/クライスラー:スラヴ舞曲第2番
チャイコフスキー: 憂うつなセレナードop.26
ブラームス/ヨアヒム:ハンガリー舞曲第2番
ショパン/ミルシテイン:ノクターン第20番嬰ハ短調
ヴィエニャフスキ:華麗なるポロネーズ第1番op.4
グラナドス/クライスラー:スペイン舞曲からアンダルーサ
ワインツバイク:ダンス・オブ・マサダ
コミタス:鶴(クレイン)
パパジャニャン:エレジー(ハチャトリアンに捧ぐ)
パゴダザリアン:ラプソディ

ヴァイオリン:カテリーナ・マヌーキアン    ピアノ:江口 玲
使用楽器:Jean Baptiste Vuillaume 1861 (イザイ所有)
録音:1997年7月

カテリーナ・マヌーキアンはカナダ、トロント生まれ。アルメニア人ヴァイオリニストの父と日本人ヴァイオリニストの母をもち、両親から手ほどきを受けました。12歳のときにカナダ音楽コンクールで優勝。同年、バンクーバー交響楽団とパガニーニのヴァイオリン協奏曲を協演しました。1994年から2000年まではニューヨークでドロシー・ディレイに師事。トロント大学を卒業後、同大学の大学院博士課程で哲学を専攻しました。

マヌーキアンが使用しているヴァイオリンはイザイが所有していたというJean Baptiste Vuillaume 1861。
J.B.Vuillaume を使用しているソリストと言えばすぐに ヒラリー・ハーンの名が思い浮かびますね。ハーンぐらいの格の演奏者だったら、クレモナのオールド銘器などすぐに持てそうだと思うのですが、それをそうしないのは、決してフランスの楽器をイタリアよりも格下だと思っていないから、自身のJ.B.Vuillaume のヴァイオリンが好きだからなのでしょう。
実際、ヒラリーハーンも、このマヌーキアンも素晴らしい音ですよね。

このマヌーキアンのCDですが、楽器のせいだけではないとは思うのですが、大変しなやかですっきりとした透明感のあるヴァイオリンの音が聴けます。マイクはやや近めなのか、演奏者の息遣いなどはリアルに聴こえて来ますが、ヴァイオリンの音は滑らかで、高域も全く刺激の無い聴きやすいものになっています。
ゆったりとした曲での彼女の歌いぶりは実に品の良い趣味の良いものなのですが、例えば「華麗なるポロネーズ」などでは演奏にメリハリ、ダイナミックさがや乏しく、ちょっと物足りなさを感じます。しかし、父の祖国であるアルメニアの作曲家パゴダザリアンのラプソディになりますと一転、なりふり構わず情熱的な演奏と化します。生まれはカナダでも父親の出身ということで血が騒いだのでしょうか、アルバムの最後を飾るのに相応しい盛り上がりをみせます。

ところで、イザイの悲劇的な詩を聴かれると、何だか途中から不思議な聴きなれない音がしてくると思います。それはこの曲ではヴァイオリンの4番線(通常Gで調弦)をFに調弦しているためなのです。