Dario Occhipinti の秘密その1解答編



出題 (Occhipintiの楽器のペグボックス)

それでは他の楽器のペグボックスも見てみましょう。あなたの楽器はどのペグボックスのタイプ?

綺麗に仕上げられたペグボックス

Occhipinti の楽器。
ペグボックスの底も楽器本体のようにつやつやとしている 。

ごく普通に仕上げたもの

ノミの削り跡がそのまま残っていて、底がざらざらしているのがおわかりでしょう。

黒く塗ったもの

ペグボックスの内側を黒く塗っています。
(古い楽器の場合は、後になってから塗られた場合もあります。)

ペグボックスの中が楽器本体(表・裏板)のように綺麗に仕上げられている楽器は少ないといえます。
綺麗にニスが塗りにくい部分ということもあるでしょうが、ペグボックスの中というのは、弦の先端でひっかいたりして意外と傷がつき易い部分なのです。音にはまず関係ないし、外観的に(渦巻きのように)目立つ場所ではない。そんなところに時間をかけて丁寧に綺麗に仕上げるのは、徒労以外の何物でもないと考えるのは当然といえば当然でしょう。

私がOcchipinti の楽器を見たとき、その製作精度の高さ、まったく塗りむらのないニスに驚かされました。でもペグボックスを見たときに思わずほくそ笑んでしまいました。おそらく楽器本体をこれだけ精密に作る人間は、ペグボックスも ここまで徹底しないと気が済まなかったのでしょう。並みの仕上げのペグボックスで終わらせることは、彼にはどうにも堪え難いことだったのだと思います。 私は楽器全体を見て、最後にペグボックスを見たとき、 潔癖とも言える彼の楽器作りの姿勢。楽器に対して完璧でありたいという一貫した態度が見て取れたのです。

でも、ペグボックスが綺麗に仕上げられていない楽器をそれだけで全体の製作精度が低い楽器である、雑な楽器であると決めつけるのは危険です。 ペグボックスを綺麗に仕上げなくても、全体のつくりは素晴らしいという楽器も沢山あるからです。
隆起や板の厚みはすばらしく音も良いのにペグボックスの仕上げはざらざら、ペグの取り付けも斜めになっていたり・・・・。
イタリアの製作家などには結構そういう人も多いのです。

木を見て森を見ずはいけません。

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