ヴァイオリンの選定・購入法・業者との信頼関係の築き方

人気TV番組「なんでも鑑定団」でお馴染みの中島 誠之助氏の著書に 『骨董の真贋』(二見書房)という本があります。
その中に、「鉄人が伝授する鑑賞の鉄則」というものがあります。それを読んでみますと、ヴァイオリン選びを実践するにあたって大いに役立ちそうな事柄が書いてあります。それで、ここでその内容についてご紹介したいと思います。

各々の項目についてひとつひとつ、中島 誠之助氏の説明に加え、それをヴァイオリンなど手工弦楽器を選ぶときにどう応用したらよいか(私なりに解釈したものを)順次解説していきたいと思います。

 

鉄人、中島 誠之助が伝授する鑑賞の鉄則

「 」内は中島氏の言葉 その後は私なりの解釈、解説です。

第 8条 業者と仲良くしなさい

「まず、第一に業者と仲良くしなさい、とほとんどの本に書いてあります。
とんでもないことです。私にいわせればチャンチャラおかしい。
まずは、第7条までをきちんと習得すること。業者と仲良くするのは、それからです。
第7条までを習得すれば、良い業者、悪い業者も、程度の高い業者も低い業者も見えてくるのです。」

 

ブティックで買い物中島氏は業者と付き合うなと言っているわけではありません。業者のところでモノを見なければ、勉強になりませんから。中島氏は売り買いを越えた次元でのつきあいができるようでなければ本当の情報は入って来ないと言っているのです。そのためには自分を高めておかないといけないということなのです。

弦楽器店と言えば、うっかりしていると騙される、高いものを買わされるところだと、端から決めつけておられるような方がいらっしゃいます。
そのような方はまるで、自分の気持ちに鎧をかぶせたかのように武装していて、こちらから何を聞いても、まともに答えず、はぐらかしたようなお答えしかなさいません。
それでいて、こちらに対しては、「ここの楽器はあなたが作ったのか」とか「イタリアへ仕入れに行っているのか」とか矢継ぎ早に質問なさいます。

おそらくそういう人のお気持ちは、決めるのは自分であって、楽器商のペースには絶対に乗らないぞということなのでしょう。

ただ、そういうご質問をなさるということは「自分はただ楽器だけを見せられても、その良し悪しがわからないので、代わりに店構えや店主の経歴、楽器の仕入れルートなどからそこで扱う楽器の良否を判断しよう」としているのではと相手の楽器商から思われても仕方がありません。

もちろん、今すぐに購入するわけではないので、具体性がなく、色々と質問されてもはっきり答えられないという場合もあるかもしれません。そのようなとき
は、はっきりと、「今買う訳ではないけれども、勉強のために良い楽器というものを見てみたい、弾かせて欲しい」と言えば良いのです。
弦楽器店の店主はだいたい個性的な人物が多いので、そのように言われたら、喜んで、店のポリシーや、自分が良いと思う楽器について見せてくれたり、話をしてくれるのではないでしょうか。

それを、「今500万円くらいで楽器を探しているのですが、そんな楽器はありますか」とか
「友達が探しているので代わりに見に来ました」のような本心ではないことを言って来店されるからいけないのです。
このようなお客様の場合も、こちらからの質問にはっきりと答えることができません。本心を偽っているからです。

このような状態では、業者と仲良くなる、業者の方から有益な情報を得るというようなことは不可能でしょう。

もちろん、売り手と買い手という関係ではありますが、本心を包み欠かさず正直にさらけ出すことによって、相互の良好な関係が真の信頼関係が築けるのではないかと思います。

質問を考える
正直にとは言っても、実際に私が遭遇したケースですが、

「ここで一番高い楽器はどれですか?」
「良い楽器が見たいんです。見せてください。」

のような聞き方ではマズいですね。

気持ちはわかりますが、已むに已まれずその質問が発せられたのか?
どういう思考を経てその質問に至ったのか?

そういったことが、全く伝わってこないからです。

良く考えられた質問からは、良い情報が引き出せると思います。

業者と仲良くするというのはお客様側の「質問力」を上げる、鍛えること会話のキャッチボールを上手くすることなのかもしれません。
自分にバリアを張った質問や紋切型の質問では会話は続きません。

 

 

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