量産品と手工品の違いはどこ?

ヴァイオリンを選ぶのは難しいとお考えの方が多いと思います。それは価格帯の幅の広さ(数万円~数十億円)もその一因ですが、どの部分を見比べたらヴァイオリンの良し悪しがはっきりするのか分かりにくいからだと思います。
まずは、量産品と手工品の違いを見分けることから始めましょう。見るポイントさえつかんでしまえば、意外と簡単なことにお気づきになるはずです。
(画像はサンプルとして、量産品はドイツ製S、手工品は当店のMezzano Valleを使用しました。)

手工品のスクロールは鋭くエッジが立っています。一方量産品はまるで粘土細工のようにもっさりとしています。

手工品のアウトラインは、シャープなところと丸みを帯びたところがバランス良く共存し、すっきりとしながらも優美さをたたえています。量産品は全体的に角を落としてしまい、ラインがあいまいで美しさが感じられません。

 その他に、楽器の出来を決定付ける非常に重要な要素として、楽器の隆起(膨らみ)という要素があります。これについては、三次元的かつ微妙な差異のため残念ながら、画像でお伝えするのは非常に難しいのです。

 「隆起」はギターなどにはない、ヴァイオリン族の特徴で、直接目で確認できる部分で音に係わるという意味では、実に重要な意味合いを持っています。

 ただ、店頭で目にする楽器の多くが量産品という現状では、一般の方が隆起の違いを感じ取るというのは難しいことと思います。

 それは、量産品はいくら数多く見ても、どれも隆起が変わりばえしないからです。ですから、一般の方が、ヴァイオリンの個々の隆起の差異に気付かれ、それを楽器選択の際の、重要な項目として意識されることが少ないのです。

 私たち弦楽器商は、手工弦楽器を毎日のように見ております。その数は年間では優に300台や500台にはなるはずです。

 なかには、オールドの名器といわれるストラディヴァリやアマティ、ガリアーノなどそして次世代の名器と目されるプレッセンダ、ロッカ等も含まれます。  それらの楽器の隆起にじかに触れ、音を出してみる。その様々なパターンを脳に焼き付けておく。そのデータベースこそが我々楽器商の財産なのです。

 それによって、はじめて、それぞれ製作者、楽器による隆起の違いを感じながらも、その中からきちんと、名器に通じる普遍的な隆起というものを嗅ぎ分けられるようになるのです。

 インターネットの画像では、上記のように、お見せすることができませんが、是非、実際に、私のご案内する“本格的な”楽器の隆起に触れてみてください。

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