Theodor Berger 1969 Markneukirchen

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50年前のドイツはまだ良かった・・・・

私がドイツのマスターメイドと言って売られている新しいヴァイオリンをお薦めしない理由は、現在日本で見ることのできるドイツのヴァイオリンほとんどが中上級品の量産ものだからです。 もちろんその工房(工場)の宣伝文句を見れば、やれ100何年の伝統だ、手作りだ、マイスターメイドだ等々何だかんだ書いてあることとは思います。ヴァイオリンは自動車のようにロボットが作ることはないでしょうから、どれも手作りと言えば言えないことはないのです。でもヴァイオリンの良し悪しは能書きではわかりません。

私が「手作り」で問題とするのは、「過去の名工が作った良い楽器の雰囲気」を伝えるものかどうかです。ヴァイオリンのエッセンスは「過去の名工が作った良い楽器」にあり、それは200年~300年経っても変わることはなかったということには誰も異論はないはずです。残念ながら、私には現在のドイツのヴァイオリンからは名器のエッセンスをどうしても感じ取ることはできないのです。
もし量産でも過去の名工が作ったヴァイオリンのエッセンスを伝えるものが作れるのなら、例えそれをロボットが作ろうが、私はそれを認めることでしょう。現実には、優秀で経験豊かな職人の目や感覚の方が測定器や機械を上回ることは確実ですし、ヴァイオリン人口を考えると自動車や家電製品のようには量産の必要もありません。今のところヴァイオリンの量産のメリットは効率や、利益率でしかないでしょう。ヴァイオリンの場合は、量産品とは企業側の都合で作られたものに過ぎないのです。マクドナルドやロッテリアではお腹は一杯になっても、料理の神髄に触れたとは決して言えないでしょう。

この1969年のドイツのヴァイオリンはまだきちんと職人の仕事が見えるヴァイオリンです。経年変化の恩恵も充分に感じられます。これなら私も自信を持ってお薦めすることができるというもの。 ぜひ現代のドイツ量産メーカー最上級クラスの楽器、イタリア新作、モダンイタリー等のヴァイオリンと比べてみてください。

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