Massimo Semiani 2003 Cremona

sold

各画像はクリックすると拡大します

イタリア(クレモナ)新作ヴァイオリンMassimo Semianiの紹介。
イタリア(クレモナ)新作というとツルツルピカピカのヴァイオリンを期待される方が多いことと思うのですが、このヴァイオリンは見事にその期待を裏切ってくれます。

このヴァイオリンは透明感の低いオイルニスを使用しニスは極めて薄く塗られています。そして表面を平滑に磨いていません。 ですから光沢は少なめ。そして表板表面は冬目と夏目の凹凸が割とはっきりしています。
従いまして、従来のイタリア(クレモナ)新作ヴァイオリンを見慣れた目には決して綺麗なヴァイオリンとは映らないでしょう。

でもこういったヴァイオリンの方が3年~5年経つと自然な味わいが出てくるのではないかと私は最近思っています。
あまりにも透明で厚みのあるニスは、10年~20年とヴァイオリンを使い込んでも変化が少なく、楽器の使用感があまり出ません。いつまでも綺麗な方が良いという方はそれも良いでしょうが、道具なのですから、使ったら使っただけ弾き込んだという雰囲気が出てくれた方が私は格好が良いと思うのですが・・・・。

ニスの見た目は好き嫌いだと思いますが、このヴァイオリンは分厚いニスの呪縛から逃れられたためか、まだ出来たての楽器なのに反応が良く、倍音豊かで柔らかい響きがいたします。これはこれで大きな恩恵であると思います。
「新作ヴァイオリンは鳴らない、音が硬い」というのが“迷信”に過ぎないことが良くわかります。また「今は鳴らなくても弾き込めば必ず鳴るようになります」という言葉がヴァイオリンの在庫処分トークに過ぎないこともお分かりになるでしょう。

イタリア(クレモナ)のヴァイオリン=濡れるようなニス 、飴細工のようなニスという方にはもちろんお薦めいたしませんが、音の良いヴァイオリン、即戦力の楽器をお探しの方には広くお薦めできるヴァイオリンです。
このヴァイオリンがぱっと見て綺麗に見えないのはニスのせいであるだけで、他は中堅ヴァイオリン製作家らしい手馴れた仕事ぶりを感じさせてくれます。押さえるべきところはしっかり押さえています。例えばバランスの良い隆起、均整の取れたf字孔などをご覧になれば、きっとベテラン職人の技をお感じになることでしょう。

戻る