Heinrich Th. Heberlein Jr. 1922 Markneukirchen

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楽器を見るということ

私が楽器を見るときに注意して見ているポイントは何かというと、その楽器が「過去の名工が作った良い楽器の雰囲気」を伝えてくれるものかどうかです。つまり「過去の名工が作った良い楽器」との類似点が多ければ多いほど、良い楽器の可能性が高くなると考えることができます。

それはヴァイオリンのエッセンスは「過去の名工が作った良い楽器」にあり、それはすでに200年~300年も前に確立されてしまっているということが大前提にあるからです。

ほとんどの製作者の最終的な目標は「名器の持つ究極的な音」なのでしょうが、「名器の音」と言っても、それは奏者によって変わってしまうような、目標としては甚だ頼りないものです。ですから音からではなく、スタイルからアプローチするのが最も一般的な考え方、手法です。名工の楽器のスタイル(かたち)を模倣することによってその音をも手に入れよう(手に入れたい)と考えるのが伝統的なアプローチの仕方なのです。

それでは「良い楽器の雰囲気」というものはどうやったら作り出すことができるのでしょうか。

私の勝手な推論ですが、それに必要なのものは、良い楽器を正しく見てそれを把握することができる職人の眼(ソフト)であり、見たものをそっくり形にすることができる技術(ハード)ではないかと思っています。
まず良い楽器があること。そしてそれを良く見ること。そしてそれを見て感じたものをきちんと現す力があるということです。
もちろんその「良い楽器の雰囲気」が「良い音」に結びついてくれなくては困ります。ですからやはり音のチェックは不可欠になります。でもこれは最後の最後にテストすれば良いことなのです。

この楽器をご覧になれば、最近のドイツ量産楽器がマイスターメイドと言いつつも、いかに「雰囲気」を失ってしまったものなのかがよくおわかりになることでしょう。

この楽器は、強さよりも柔らかく漂うような雰囲気を好まれる方にお薦めいたします。

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