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アナ・チュマチェンコ・クラスのヴァイオリニストたち|ミュンヘン音楽大学自主制作 CD

ミュンヘン音楽大学自主制作CD

ミュンヘン音楽大学自主制作 CD 27

チュマチェンコ・クラスのヴァイオリニストたち

モーツァルト:ロンド     ヴェロニカ・エーベルレ(Vn) 占部由美子(P)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番     ダニエル・レーン(Vn)
イオン・マリン バイエルン放送交響楽団
シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ D574
サトゥ・ヴァンスカ(Vn)  ミラナ・チェルニャフスカ(P)
スメタナ:我が故郷より     マルクス・タネベルガー(Vn)占部由美子(P)
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
リサ・バティアシヴィリ(Vn)  ミラナ・チェルニャフスカ(P)
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ
アラベラ・美歩・シュタインバッハー(Vn) エレナ・ネステレンコ(P)
サン=サーンス:ハヴァネラ     ルーデンス・トゥルク(Vn) オラフ・ドレスラー(P)
R・シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ
ユリア・フィッシャー(Vn)  ミラナ・チェルニャフスカ(P)
録音:2001年~2003年

このCDはミュンヘン音大の自主制作によるものなのですが、名教師アナ・チュマチェンコの弟子たちの演奏を集めた非常に興味深いディスクです。ユリア・フィッシャーはすでに音大教授でもありますし、アラベラ・美歩・シュタインバッハー、リサ・バディアシヴィリ、ルーデンス・トゥルクなどはCDも数多く出ています。ヴェロニカ・エーベルレはN響との共演で来日もしていますね。

アナ・チュマチェンコはイタリアのパドヴァ生まれ。幼少期に家族と共にアルゼンチンへ移住し、リエルコ・スピレルに師事。17歳でヨーロッパに戻り、ヴェーグ、メニューイン、シゲティらの下で研鑽を積みました。この間、ロンドンのカール・フレッシュコンクールで1位、ベルギーのエリザベート王妃国際音楽コンクールで銀賞を獲得。ソリストとしても、リサイタル出演やオーケストラと共演する他、室内楽にも力を入れており、夫でもあるヴィオラ奏者のオスカー・リシィ、チェロ奏者のヴァルター・ノータスと共にミュンヘン弦楽トリオを結成し、既に20年以上活動を続けています。
1990年よりミュンヘン音楽大学教授に就任。多くの若手ヴァイオリニストを育てています。

彼女の指導は、とにかく個々の生徒の個性を生かすことに長けていて、もっと自由に弾きなさいと常に言われ続けると聞いたことがありますが、もちろんそれはある程度の技術レベルがあってこそのことでしょう。個性とクセ、自由な演奏と恣意的な演奏は似て非なるものでしょう。
「音楽であろうが何であろうが、指導者には人間を形成する使命がある」とアナ・チュマチェンコは語ったとのことですが、その内容はインタビュー記事 チュマチェンコが語る音楽教育 をお読みください。

さて、本CDの演奏ですが、ユリア・フィッシャーやバディアシヴィリ、アラベラ・シュタインバッハー等すでに広く活躍している人たちの演奏が素晴らしいのは言うまでもありません。他の演奏者で私が気に入ったのはダニエル・レーンとサトゥ・ヴァンスカです。
ダニエル・レーンは父親がアンドレアス・レーン(バイエルン放送響コンマス)、祖父がエーリッヒ・レーン(ベルリンフィルコンマス)という家系。このモーツァルトの演奏の趣味の良さは只者ではないと思ったのですが、そういった素晴らしい血統だったのですね。実に美しい音色でモーツァルトをさりげなく聴かせてくれますが、この「さりげなく」というのが一番モーツァルトでは難しいことだと思います。
ヴァンスカのシューベルトも実に瑞々しい演奏です。これもモーツァルト同様、音符がきちんと弾けても聴かせる演奏にするのは難しい曲だと思いますが、緩徐楽章でのさらっとした歌い回し、速い楽章での切れ味などこれは理想的な名演だと思います。

なお、ブックレットにそれぞれの演奏家の使用楽器が記載されています。ただ演奏者全員ではないことと、このCD録音に使用していたかどうかは不明ですが、一応ここに載せておきます。

ダニエル・レーン      A&H Amati 1617
サトゥ・ヴァンスカ      Tommaso Barestrieri 1762
マルクス・タネベルガー   Carlo Giuseppe Testore 1710
リサ・バティアシヴィリ   Antonio Stradivari 1709
ルーデンス・トゥルク    Jean Baptiste Vuillaume 1864
ユリア・フィッシャー     Antonio Stradivari 1716