フリーデリケ・シュタルクロフ|モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ集

フリーデリケ・シュタルクロフのCD

OEHMS OC756

モーツァルト ヴァイオリンソナタ集

モーツァルト:
ソナタ ヘ長調 K.377(374e)
ソナタ 変ロ長調 K.454
ソナタ イ長調 K.526
モーツァルト=クライスラー:ハフナーセレナーデよりロンド・アレグレット

ヴァイオリン:フリーデリケ・シュタルクロフ
ピアノ: ホセ・ガラルド

私にとって初めて聞くヴァイオリニストの名前ですが、プロフィールを見ますと1990年ケムニッツで生まれ、プフリューガー財団から奨学金を得て、W.マルシュナーとA.マシューからヴァイオリンを学んだとのことです。1998年に「若き音楽家」のコンクールで1等賞を得ています。

演奏は実に素直な演奏で大変好感が持てました。清涼感のある演奏とでも言いましょうか。
彼女の演奏は今はやりのピリオド奏法を取り入れているわけでもなく、また音や弾き方に強烈な個性があるわけでもありませんが、決して物足りなさは感じません。特に私はK.454の演奏が気に入りました。第一楽章序奏部分の美しさ、アレグロの躍動感。モーツァルトならではの愉悦感が存分に味わえます。
モーツァルトの器楽曲を演奏するときには彼のオペラを思い浮かべて演奏しなさいとよく言われますが、この演奏を聴いていて心地よくまた楽しく感じられるのは、これが器楽的に弾いていない演奏であるからなのかもしれません。

またこの演奏の成功には共演のピアニスト、ホセ・ガラルドの功績も大きいと思います。モーツァルトで無神経にガンガン弾きまくられるとそれだけで興醒めになってしまいますが、ガラルドのピアノのタッチは非常にデリケート。ヴァイオリンとの音量バランスが優れているというような次元のものではなく、ひとつひとつの音がまるで珠を転がすかのように聴こえます。どんな速い音符にもきちんと響きが乗っているのですね。

録音は両者の特徴を良く捉えた、暖色系のまろやかで大変心地よいものですが、決して残響過多ということはなく、細部はクリーンで粒立ちははっきりしています。よく聴いてみますと、ヴァイオリンの低音域の胴体の響き(良い意味でのこもり音)までもが聴こえるようです。

シュタルクロフの使用楽器はJ.B. Guadagnini 。それはバーデン=ヴュルテンベルク州のコレクションとのことです。

録音:2011年2月アウグスブルク大学、コンチェルトザール