ストラディヴァリ4挺によるヴィヴァルディ四季| サルヴァトーレ・アッカルド

ストラディヴァリ4挺によるヴィヴァルディ四季

PHCP-9257

ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」
協奏曲第1番「春」 Stradivari 1715 “Il Cremonese”
協奏曲第2番「夏」 Stradivari 1727 “Ex Reynier”
協奏曲第3番「秋」 Stradivari 1718 “Firebird” (アッカルド所有)
協奏曲第4番「冬」 Stradivari 1727 “Hart”  (アッカルド所有)

4つのヴァイオリンのための協奏曲 ロ短調 RV580
3つのヴァイオリンのための協奏曲 ヘ長調 RV551

バイオリン:サルヴァトーレ・アッカルド   演奏:イ・ソリスティ・ディ・ナポリ
録音 :1987年 9月  第5回クレモナ・フェスティヴァル ライヴ

本日のCDは以前にHPの その他のヴァイオリン名器聴き比べCDの方でもほんの少しだけご紹介していたもので、サルヴァトーレ・アッカルドがヴィヴァルディの四季を、4台のストラディヴァリで弾き分けるというものです。
伴奏の合奏団も全てストラディヴァリを使用したと言いますから、何とも贅沢な企画でしたね。1987年の第5回クレモナ・フェスティヴァルのときだそうです。

演奏はピリオド奏法を取り入れたようなものではなく、いわゆるイ・ムジチなどで日本人が親しんできた伝統的(?)な四季に極めて近いもので、そういった意味では安心して聴けます。

“Il Cremonese”はご存じ、クレモナの市庁舎(現在は新博物館)に展示されているヴァイオリンで、アンドレア・モスコーニさんが毎日弾いて音を出していることで知られていますね。
“Ex Reynier”は以前はアッカルドが所有していましたが、現在はLVMH財団の所有。オーギュスタン・デュメイに貸与されています。
“Firebird”はサン=テグジュペリがかつて所有していたヴァイオリンで、現在はアッカルドが所有しています。
“Hart”はジノ・フランチェスカッティが35年間所有していたもので、現在はアッカルドが所有しています。

そのストラディヴァリ“Hart”を借りて使っていたとき、楽屋に書籍 アッカルド ヴァイオリンを語る訪ねてきた老人が、あなたの音はまるでフランチェスカッティと同じような音がすると言った話や、その“Hart”を購入するまでの話は、右の画像の書籍「アッカルド ヴァイオリンを語る」に詳しく載っています。
また、ストラドに至るまでのアッカルドのヴァイオリン遍歴もこの本の中に詳しく書いてあります。以下に引用いたします。

若い人たちは貴重な楽器がすぐ弾けなくても決して落胆することはないし、楽器のおかげで大ヴァイオリニストになれるのではないことは、何よりもまず最初に知っておくべきだろう。まず自分が大ヴァイオリニストであることを示すのが先で、その次に、時代ものの楽器をもちたいと望むのが順序だろう。
私は工場生産のヴァイオリンで活動を始め、1956年のジュネーヴのコンクールに優勝した。楽器は平凡なドイツ製のヴァイオリンで、アマチュア演奏家であった私の父の楽器であったが、私にはそれしかなかったし、練習をしたのもその楽器だった。そんな楽器でも、コンクールで優勝する妨げにはならなかった。
この優勝のあと、キジアーノ四重奏団のメンバーであり、私の師ダンブロジォの門下であり、また私の家族と親しくしていたジョヴァンニ・レオーネが、私にポッジをプレゼントしてくれた。それは現代イタリアの優れたヴァイオリン作りの手になるものだった。
こうして私は、それまで弾いていたものよりもはるかに質のよいヴァイオリンを持つことになった。ポッジを弾いて、私は1958年にパガニーニ・コンクールに優勝した。その賞金で私はまずジュゼッペ・ガリアーノを、次にジャン・バッティスタ・グァダニーニを買った。この2器を売って、こんどはモンタニァーナを買った。すこしずつ、1歩ずつ進んで最初のストラディヴァリに到達した。私が初めてストラディヴァリを弾いたのが1968年だったから、それまでに10年のキャリアが必要だったわけだ。

もちろん当たり前ですがポッジも新作の時期があったのですね・・・
今モダンイタリーとなっているヴァイオリンも、アッカルドの話のように新作のときからすでに充分使えたものがあることがわかります。反面今でも使えないモダンイタリアン(鳴らないもの)も沢山あるのですが・・・

ところで、上記の4台のストラディヴァリ、私のお気に入りは“Hart”です。それがフランチェスカッティの音に近いかどうかは別として、他のヴァイオリンに比べて最も音が冴えていると思います。