ヴァイオリンを買う時に鑑定書・証明書は絶対に必要か?・その6

ヴァイオリンを買う時、鑑定書・証明書は絶対に必要なのか?第6回

続けてお話しております ヴァイオリン(弦楽器類)の証明書・鑑定書について、今回はその第6回目になります。

紙とペン製作者本人以外によって書かれた証明書・鑑定書類 についての続きです。

A) 弦楽器商(ディーラー)
B) 製作者の師匠
C) 製作者の親族(師弟関係にあることが多い)
D) 他の製作者、弦楽器職人
E) 本の編纂者

 

これまで A)、D)、E) についてご説明してきました。
今回は、B) 製作者の師匠 による証明書についてご説明しましょう

弟子が自分(親方)の工房から独立したり、独立していないまでも弟子が作ったヴァイオリンを親方作(親方のラベル)ではなく弟子作の楽器として世に出すときなど、ラベルに「〇〇の弟子、□□」のように記すことがあります。イタリア語ですと 「Allievo di ○○」のような表記になります。
まだネームヴァリューの無い弟子を応援するような意味合い、弟子の側からすると親方の名声を借りて営業するような意味合いがあるのではないかと思います。

製作証明書もそのような意味合いなのではないかと思うのですが、本人ではなく、師匠や工房の親方などが書いているものがたまにあります。

新作で、もちろん本人が生きているわけですから、作った本人が書けば良いだけなのですが、それだけでは紙に重みが無いからなのでしょうか。

ただ、このケースでは、どちらかというと下位の人間の楽器に証明書を書くことになるので、前回のブログで書いたような「できるだけ楽器を高く売らんがための画策」というような側面は全く無いでしょう。
親方としてみれば自分のラベルを貼れば高く売れるものを、弟子のラベルで出すわけですから。それにわざわざ証明書まで書こうというのは、非常に正直、誠実であると言えると思います。

ただそうはいえ、証明書やラベル自体が師匠筋や親方とは全く関係ない人間によって操作されている場合はその限りではないでしょう。

それはたとえば、中国製の楽器に「Allievo di ○○」のようなラベルを貼ったり、証明書を偽造したりする行為です。
今や良くできた中国製の楽器が、下手なイタリア人が作った楽器を越えていることはざらですから「Allievo di ○○」と言われても納得してしまうこともあるのです。

次回は C) 製作者の親族(師弟関係にあることが多い) によって書かれた証明書について述べたいと思います。

 

 

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